メインポイントのヒカゲヘゴと散策路

どうして草が生えないの?(追記有り)

メインポイントのヒカゲヘゴと散策路
メインポイントのヒカゲヘゴと散策路

ご案内している内容はかなりの部分がお客さんからの素朴な疑問が元になっていますが、これもそうです。数年前に尋ねられ、調べているのですが、いまだにわからない。仮説すら思いつきません。

散策路は2年ほど前から一般車の通行は禁止されています。森林管理署やマングースバスターズの車両が通る場合もありますが、通行量は少なく、写真のように散策路に轍(わだち)がほとんど無いことでもわかるかと思います。

しかし、散策路には草がほとんど生えてないのです。散策路の両脇には車両にくっついてきたであろう植物(キツネノボタンやハダカホウズキ等)も生えているのですが、散策路まで進出していません。

乾燥具合?太陽光の加減?それとも少ないとはいえ、人が歩いて表面の砂利を動かすから?

どうしてなんでしょうね。

ちなみに、散策路は草刈りは行っていないはずです。また、路面への砂利まきもよほどの凹みができないかぎりはほとんど行っていないと思います。

(追記)自分なりの考えをまとめてみました。

もう一度、散策路の様子を思い出してみました。

”草が生えてない”といっても、実は散策路の端、路肩に生えています。
どんな植物かというと、1年ほど前に紹介したサケバゼリやオオムカシヨモギ、キツネノボタン、ハダカホオズキ、メジロホオズキ等です。
しかし、路肩に生えている植物は路肩の外側、つまり林床(実際は森の中なので森床ですが、ここでは林床とします)には生えていません。

では、生えてない場所、散策路の真ん中と林床、それと路肩は何が違うかというと、路肩にはかなり柔らかい「土」があります。
散策路の真ん中には葉っぱが落ちていることはありますが、割と短期間に消え、写真のように姿を消したり、新たな落葉に置き換わっています。
林床も散策路の真ん中とほぼ同じ感じで、地表を這う根っこや倒木に遮られた部分に僅かに分解された葉っぱであろう黒っぽい「土」があります。
「いのちはみんなつながっている-西表生態学-」(千石正一・著 朝日文庫 2004年12月30日)では、こういった亜熱帯の地表の様子を次のように説明しています。
「植物の作戦」(P12)より

”西表島の森には、葉っぱがものすごくたくさん落ちます。(略)そして落ちた葉が地面で腐ったもの。栄養のある土ですが、それを「腐食(ふしょく」といいます。西表の腐食層は本州の土なんかに比べるとすごく薄いです。つまり、森の土に養分がほとんどない。温度が高いので、バクテリアがあっという間に葉っぱを分解しちゃうんですね。そして栄養分は雨で流れていってしまって残らない。”(P16-P18)

路肩にたまっている、また林床の地表を這う根っこや倒木に遮られた部分にある「土」はこの「腐食」にあたると思います。
そして、路肩の植物相は、このある程度の厚みのある腐食層がある場所にしか生えることができないのでしょう。

林床では以下のように根っこが伸びていき、腐食が流されやすい場所でも木々は栄養を集めることができるそうです。

”地面がやせていることに関係して変わった形の木の根っこがあります。(略)なんでそんな妙な形の根っこになるかというと、まずは地面を見ればわかります。腐食、つまりいわゆる黒土というか、植物の栄養になるような土がなくてすごく薄いです。だからこういった木は遠くまで根を張ってあちこちから栄養を集めるわけですね。そのために根っこが広がります。”(P18-19)

腐食は綺麗さっぱり流されるわけではなくて、実際には地表を這う根っこや倒木に溜まっています。そして腐食層が少しできるのかもしれませんが、路肩の植物相を構成する植物が他の植物との競争に勝てるほどの量(厚み)が足りないのか。あるいは光が足りないのか。そもそも種子が入り込まないのかもしれません。

一方、散策路は常に水にさらされて、腐食は路肩へと流されていきますから、木の根っこも腐食が流れる反対方向である散策路へと根を伸ばすこともありませんし、倒木や折れた枝が散策路に落ちても人がそれを除去してしまいます。
結果、腐食が散策路に溜まるような場所もできないので、路肩の植物相が散策路へ進出することもできないのではないでしょうか。

そう考えると、クワズイモが生えている場所もそういう意味で路肩の腐食が堆積する場所なのかもしれません。また今度注意して観察してみましょう。

金作原原生林ツアー等、奄美大島を楽しむなら観光ネットワーク奄美の自然体感ツアーをご利用下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です